子どもたちの「レジリエンス力」を育てるために


増える不登校の子どもたちへの対応に困っているご家庭や学校へ、もう一つの手立てとしての子どもたち自身が身につけたい力「レジリエンス」について考えていきます。

増える不登校の子どもたちへ

最新の統計によると、不登校の子どもたちの数は増加傾向にあります。

  • 令和4年度(2023年度)の不登校の小中学生は約29万9千人で、これは過去最多となっています。
  • 小学生は約10万5千人(前年度比で約2万3千人増)、中学生は約19万4千人(前年度比で約3万5千人増)です。
  • これらの数値は10年連続で増加しており、不登校の小中学生数は30万人に迫っています。

 現代の子どもたちが直面している課題の一つが「不登校」です。しかし、この問題を解決するためには、ただ学校に行くことを強制するだけではなく、子どもたち自身が困難を乗り越える力、すなわち「レジリエンス力」を育てることが重要だと考えています。

レジリエンスとは、困難な状況やストレスから回復する能力のことを指します。これは、心の健康を保つための重要な要素であり、生涯を通じて役立つスキルです。レジリエンス力が高い子どもは、困難を経験したときでも、それを乗り越え、成長することができます。

最近の研究では、レジリエンス力が高い子どもは、学業成績が良いだけでなく、社会的なスキルや自己効力感も高いことが示されています。また、レジリエンス力は、不登校の子どもたちが学校生活に復帰するための重要な要素であるとも指摘されています。

さて、子どもたちがレジリエンス力を育てるための支援は具体的にどういったことなのか?
いかにあげるいくつかは、学校に行く行かないに関わらず、人生の様々な場面で役立つものです。子どもたち一人ひとりが自分自身の力で困難を乗り越えられるようになるために、家庭と学校、社会が一緒に、子どもたちに関わっていくことが大切です。

レジリエンス力を育てるための視点

ポジティブな人間関係の構築

子どもたちが信頼できる大人との安定した関係を持つことは、レジリエンス力を育てる上で非常に重要です。親や教師、コーチなど、子どもたちが尊敬し、信頼できる大人との関係を強化することを心掛けましょう。

問題解決スキルの習得

子どもたちには、自分で問題を解決する能力を身につけることが求められます。これは、困難な状況に直面したときに自分で解決策を見つけ出す力を養うことにつながります。具体的な方法としては、日常生活の中で小さな問題を子ども自身に解決させる機会を作ることが挙げられます。ここでは、子どもたちとの会話での適切な質問力がものを言います。「指導」的な立場は捨てましょう。

自己肯定感の向上

子どもたちが自分自身の価値を認識し、自分自身を肯定的に捉えることができるようにすることも重要です。これは、自己効力感を高め、自己信頼を築くのに役立ちます。子どもたちの成功体験を認識し、それを称賛することで、自己肯定感を育てることができます。

ストレス管理・メンタルヘルス教育

ストレスは避けられないものですが、それを適切に管理する方法を学ぶことは、レジリエンス力を高めるのに役立ちます。リラクゼーションテクニックなどのストレスコーピングやマインドフルネスなどのストレス管理の方法を教えることが有効です。

具体的なトレーニングの方法

コミュニケーションのトレーニング

  1. ソーシャルスキルトレーニング
    コミュニケーションスキルや問題解決スキルを教えるプログラムを導入することで、子どもたちは他人との関係を築く能力を向上させ、困難な状況に対処する力を育てることができます。
  2. 体験学習
    芸術活動、社会奉仕活動やボランティア活動は、困難な状況に直面したときに自分で解決策を見つけ出す能力を育てるために、実際の体験を通じて学ぶ機会を提供します。これには、チームビルディング活動やリーダーシップトレーニングなどが含まれます。また社会貢献感や達成感も得ることができます。特に予測不能なワイルド体験も必要です。
  3. サポートグループ
    同じような問題を抱える子どもたちが集まり、お互いに経験や感情を共有する場を提供します。これにより、子どもたちは自分だけでなく他人も同じような問題を抱えていることを理解し、共感や支援を得ることができます。

特に家庭で習慣にしたいこと

  1. リラクゼーションテクニック
    深呼吸やヨガ、瞑想などのリラクゼーションテクニックは、ストレスを軽減し、心地よいリラックス状態を作り出すのに役立ちます。これらのテクニックは、自宅でも簡単に実践することができます。特に呼吸は自律神経の安定に役に立ちます。アロマテラピーなど香りも効果的です。
  2. 適度な運動
    運動はストレスを軽減する効果的な方法です。運動することで、学習能力もあがります。適度な運動は心拍数を上げ、エンドルフィン(幸福感を感じさせる化学物質)の分泌を促します。散歩やジョギング、自転車に乗るなど、好きな運動を習慣化することに取り組んでみてください。
  3. 趣味や好きな活動
    趣味や好きな活動に時間を費やすことは、ストレスを軽減するのに役立ちます。絵を描く、音楽を聴く、本を読むなど、自分が楽しめる活動を見つけてみてください。なかでも森林などの自然に触れることが効果的です。
  4. 健康的な食生活
    バランスの取れた食事は、体と心の健康を維持するのに重要です。特に、ビタミンB群やオメガ-3脂肪酸など、ストレスを軽減するのに役立つ栄養素を含む食事を心掛けてみてください。現代人は食事に時間をかける人が少ないですが、ゆったりとした環境で食事を楽しみましょう。
  5. 十分な睡眠
    十分な睡眠は、ストレスを管理し、日々の活動に必要なエネルギーを補給するのに重要です。一晩に7~9時間の睡眠を目指してみてください。よい睡眠は昼間の活動と連動しています。特に入眠前の行動に問題があるお子さんを多く見かけます。入眠前のゲームやスマホは止めましょう。

まとめ

レジリエンスというと小難しいことのように思われたかもしれません。でも、日々の家庭生活の中でちょっとしたアクシデントがあった時、こどもが自分で解決できればよいのです。そんなこどもを見守る姿勢があればOKです。気軽に楽しみながら取り組んでいきましょう!