理解できない子どもの行動に、どう対応していいかわからない!

子育ての中で、子どもが気に入らないことがあると、ふて寝したり、部屋から出てこなくなったり、時には「消えたい」「死にたい」と口にしたりすることがあります。親として、理解できず、ついつい怒ったり、どのように対応すれば良いのか迷う場面も多いでしょう。
どんな場合でも、まずその感情を受け入れます。そして、共感の言葉をかける: 「〇〇があって、本当に嫌な気持ちだったんだね。」や「今、すごく悲しいんだね。」といった言葉で、子どもの感情を認めてあげることが大切です。子どもがわめき散らしたり、自傷行為を示唆する場合でも、親は冷静な態度を保つことが重要です。
パニックにならずに「どうしたのか、教えてくれる?」と静かに尋ねます。落ち着いた態度は子どもに安心感を与えるはずです。

心理療法には様々なアプローチがあり、子どもの個人的な要因や環境要因に応じて効果的な方法が異なる場合があります。ここでは、主要な心理療法の立場から、個別の要因に応じた対応方法をまとめてみました。それぞれの状況で、やれそうなところを取り組んでみられるのもいいかもしれません。こじれそうなら、早めに専門家に相談しましょう。

1. 認知行動療法(CBT)

ケース例:

  • 考えられる要因など
    • ネガティブな思考パターンを持ち、自分や他者に対して否定的な感情が強い子ども。
    • 不安や憂うつ感が見られる子ども。
    • 学校でのいじめや友人関係のトラブル。
    • 家庭内でのストレス(親の離婚、経済的困難など)。

対応方法:

  • 思考の再評価:
    • 子どもと一緒にネガティブな思考を検討し、現実的でポジティブな視点を持てるようサポートします。
    • 日記やワークシートを使って、思考と感情のパターンを把握します。
  • 行動の変容:
    • ストレスフルな状況への具体的な対処法(リラクゼーション法、問題解決スキル)を教えます。
    • 小さな目標を設定し、達成感を積み重ねます。

2. アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)

ケース例:

  • 個人的な要因:
    • 感情や思考を抑え込んでしまう傾向がある子ども。
    • 将来への不安や過去の出来事にとらわれやすい子ども。
    • 変化の激しい環境(転校、引っ越しなど)に適応する必要がある場合。
    • 家庭内でのコミュニケーション不足。

対応方法:

  • 感情の受容:
    • 子どもが感じている辛い感情をそのまま受け入れ、否定せずに認めます。
    • マインドフルネスの技法を使って、現在の瞬間に集中する練習をします。
  • 価値観の明確化と行動:
    • 子ども自身の大切な価値観を見つけ、それに基づいた行動を取れるよう支援します。
    • 長期的な目標を設定し、日々の行動につなげます。

3. アドラー心理学に基づくアプローチ

ケース例:

  • 個人的な要因:
    • 自己肯定感が低く、自分は価値がないと思っている子ども。
    • 他者との比較で劣等感を感じやすい子ども。
    • 過度な競争意識が強い環境。
    • 家庭内での過保護や過干渉。

対応方法:

  • 共同体感覚の育成:
    • 家族や友人との協力体験を通じて、他者への貢献や所属感を高めます。
    • 家庭内での役割や責任を持たせ、自立心を育てます。
  • 勇気づけ:
    • 子どもの努力やプロセスを認め、成功だけでなく挑戦を称賛します。
    • ミスや失敗を学びの機会として捉えます。

4. 家族療法

ケース例:

  • 個人的な要因:
    • 家族関係の影響で問題行動が出ている子ども。
    • 家族内での役割や立場に混乱がある子ども。
    • 家庭内の不和やコミュニケーション不足。
    • 親の離婚や再婚による家庭環境の変化。

対応方法:

  • 家族全体のセッション:
    • 家族全員で話し合い、お互いの気持ちや考えを共有します。
    • 家族内のコミュニケーションパターンを改善します。
  • システムの再構築:
    • 家族内のルールや役割を明確にし、子どもの安心感を高めます。
    • 家族全員で問題解決に取り組む姿勢を育てます。

5. ディアレクティカル・ビヘイビア・セラピー(DBT)

ケース例:

  • 個人的な要因:
    • 感情のアップダウンが激しく、自傷行為や衝動的な行動がある子ども。
    • 対人関係でトラブルが多い子ども。
    • ストレスフルな学校環境やいじめの被害。
    • 家庭内での安定感の欠如。

対応方法:

  • 感情調節スキルの習得:
    • 感情をコントロールする具体的な方法(深呼吸、瞑想、リラクゼーション)を教えます。
    • トリガーとなる状況を特定し、対処法を準備します。
  • 対人関係スキルの強化:
    • 効果的なコミュニケーションやアサーションの技法を練習します。
    • 他者との境界線を理解し、健康的な関係を築くサポートをします。

6. アートセラピー

ケース例:

  • 個人的な要因:
    • 言葉での表現が苦手、または抵抗がある子ども。
    • トラウマや悲しみを抱えている子ども。
    • 感情表現が抑制される家庭環境。
    • 表現の自由が制限されている状況。

対応方法:

  • 創作活動を通じた表現:
    • 絵画、粘土、写真など、様々なアート活動を通じて感情を表現します。
    • 作品を通じて内面の世界を理解し、自己認識を深めます。
  • 安心できる環境の提供:
    • 評価や批判のない安全な場で自己表現を促します。

7. 精神分析的アプローチ

ケース例:

  • 個人的な要因:
    • 無意識の葛藤や深層心理が行動に影響している子ども。
    • 繰り返し同じ問題行動を起こすが、その原因が明確でない場合。
    • 過去にトラウマ的な出来事があり、その記憶が抑圧されている場合。
    • 家庭内での過去の問題が未解決のまま残っている。

対応方法:

  • 自由連想法や夢分析:
    • 子どもが自由に話す中で、無意識の思考や感情を探ります。
    • 夢や遊びの中で現れる象徴を解釈します。
  • 過去の経験の整理:
    • 過去の出来事が現在にどう影響しているかを理解し、解放します。

まとめ

子どもの問題行動や心の悩みは、多くの場合、複雑な要因が絡み合っています。よく観察して、個々の子どもの特性や置かれている環境に合わせて、最適なアプローチを選ぶことが大切です。親として、まずは子どもの気持ちに寄り添い、話を聞く姿勢を持つことが重要です。そして、必要に応じて専門家の力を借りながら、一緒に問題を解決していきましょう。

※注意事項

このブログで紹介した内容は一般的な情報であり、全てのケースに当てはまるわけではありません。お子さまの具体的な状況については、専門のカウンセラーや医療機関にご相談ください。