何もしないことのリスク「子どもの未来を拓く:脳科学が教える行動する力の大切さ」
ストレスや困難に対して、回避傾向、不登校傾向を示す子どもたち、が増えています。
教師や親として、子どもが新しい一歩を踏み出すサポートをしたいと願う一方で、どう接すればよいのか悩むことも多いでしょう。
そんな中、「現状維持は後退である」という言葉が深い意味を持ちます。何が本人の行動を止めているのか、寄り添って聴くことが大事です。
そもそも、
人間の脳は大きな変化を嫌う性質がありますが、変化の激しい時代においては、何もしないことこそがリスクとなり得るのではないでしょうか。
目次
■ 脳が変化を嫌う理由
人間の脳は、生存本能として未知の状況や変化をリスクと捉えます。これは、進化の過程で危険を回避し生き延びるために培われたメカニズムです。
私たちの脳はホメオスタシス(恒常性)を維持しようとする特性があります。これは、体内の状態を一定に保つだけでなく、心理的な安定も求めるということです。
新しいことや未知の状況は脳にとってストレスとなり、不安や恐怖を引き起こすことがあります。生存本能として、リスクを避けるのは当然の反応ですよね。
しかし、この本能的な反応が現代の子どもたちの成長を妨げていることもあります。
特に、不登校や回避傾向の強い子どもたちは、この「変化への抵抗」が強く表れていると言えます。
ストレス耐性には個人差があるものの、少しづつ環境の変化に慣れていくことは大切なことだと思われます。
■ 行動の価値:脳科学的視点から
一方で、脳には「神経可塑性」と呼ばれる特性があります。これは、経験や学習によって脳の神経回路が再編成される能力です。新しいことに挑戦し、行動を起こすことで脳は成長し、柔軟性とレジリエンスを高めていきます。
- ドーパミンの分泌:行動を起こし、達成感を得ることで「ドーパミン」が分泌されます。これは快感をもたらし、さらなる行動へのモチベーションとなります。
- 成功体験の積み重ね:小さな成功でも、それが自信となり自己肯定感を高めます。これは、不安や恐怖を和らげる効果があります。
- 長期間の不活動の健康被害:長期間の不活動は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させ、精神的な健康に悪影響を及ぼす可能性があると、世界保健機関(WHO)は、身体的な不活動とメンタルヘルスの問題、特にうつ病や不安障害との関連性を報告しています。

■ レジリエンス:逆境を乗り越える力
ここで注目したいのが「レジリエンス」です。レジリエンスとは、ストレスや困難に直面したときに立ち直る力、適応する力のことを指します。レジリエンスが高いと、子どもは逆境に対して柔軟に対応し、成長の糧とすることができます。
- 感情の自己調整:レジリエンスが高い子どもは、自分の感情を上手にコントロールし、ストレスを適切に管理することができます。これは、心の安定と自己肯定感の向上につながります。
- レジリエンスを妨げるリスク的対応:ストレス時の対処としてリスクの高いものは、実は回避・発散・抑制と言われています。
これらの対応は、自傷他害や薬物、アルコール、ネット依存に向かいやすくなります。行動することがストレス回避の悪循環を断ち切ることができます。
■ 親や教師ができるサポート
- 小さな一歩を尊重する:大きな変化を求めるのではなく、子どもが踏み出す小さな一歩を喜びましょう。例えば、「今日は教室の前まで行けたね」といった具体的な行動を促して実行できたら、認めることが大切です。自己効力感が大事です。「三歩進んで、二歩下がる」視点をもちましょう。
- 小さな成功体験を提供する: 子どもたちの興味をもつ分野での活動を奨励し、簡単な課題や目標を設定し、達成感を味わわせる。
- 安心できる環境づくり:失敗を恐れずに挑戦できる環境を提供しましょう。家庭が安心できる居場所であれば、外の世界にも一歩踏み出しやすくなります。
- 共感と理解:子どもの気持ちに寄り添い、話を聞くことで信頼関係を築きます。「何が不安なの?」と優しく問いかける姿勢が重要です。失敗して成長する。失敗はチャレンジした証拠。いつでも、やり直せることを伝えましょう。
- 行動の楽しさを共有する:一緒に新しいことに挑戦し、行動することの楽しさを体験しましょう。関わる大人も一緒に楽しめば、情緒的なやる気や貢献感も起こります。例えば、一緒に料理を作る、散歩をするなど、日常の中で実践できます。子どもは、一緒に遊んで欲しいものなのです。
■ 未来への投資としての「行動」
アルベルト・アインシュタインは「人生は自転車のようなものだ。倒れないようにするには走り続けなければならない」と述べました。
倒れたくなければ、走り続けることです。
このように、大切なものほど、自覚されにくく、忘れやすく、壊れやすいものです。当たり前の行動を見直すことも必要です。
行動を積み重ねることは、未来への投資であり、新たな可能性を切り拓く鍵です。失敗は、次への貴重な体験になります。
枠組みを変えてみれば、絶望や失敗は成功のための一つの段階にすぎません。
子どもも大人も、自分で自分の限界を決めない姿勢をつくりましょう。
変化の激しい現代において、子どもたちは自ら、未来を築いていけるだけの力を誰もが持っています。
私たち大人は、既成概念にとらわれず、新しい発見をサポートしていくことが求められます。
小さな明かりでも子どもは前に進めます。信じて照らし続ける関わりが必要です。
そうすれば、自分で自分の未来を切り開いていけるでしょう!

■ 最後に 行動が未来を切り開く!
現状維持が安全であるとは限らない時代だからこそ、子どもたちが一歩踏み出す勇気を持てるよう、脳科学の知見を活かしてサポートしていきましょう。少し休むことは大事なことですが、少しづつ学校内外で、たくさんの経験を積ませてください。
こどもを、その気にさせましょう。どんな時でも、だれでも成長できるとマインドセットしましょう。
失敗しても親としての温かい支えが、子どもたちの明るい未来を築く大きな力となります。
以下の書籍はおススメです
「19歳までに手に入れる7つの武器」樺沢紫苑
「守人シリーズ」上橋菜穂子

