子育てに悩むあなたへ:アドラー心理学で考える自立と協力、そして「課題の分離」
子育てって、毎日が新しい発見と挑戦の連続ですよね。喜びや感動もあれば、悩みや戸惑いもつきもの。特に最近は、不登校やゲームへの没頭など、子どもの行動に変化が見られることも多く、叱っても褒めても効き目がないなど、親としてどう向き合えばいいのか迷うこともあるでしょう。
目次
多様な学びの場が増えたけれど…
フリースクールや多様な学びを提供する場が増え、不登校支援も「学校に戻す」ことだけがゴールではなくなりました。
文科省も早くに、不登校は問題行動ではないと言っています。そういわれると益々混乱してきますよね。
学校は学習だけでなく、友人関係や社会性を身につける大切な場でもあります。実際のところ、他の選択肢を探すのは簡単ではなく、親としては悩ましいところですよね。
選択肢が増えるのも、子どもの発達から見ると、いかがなものかと思うのは当然です。
多様性を認めるのと、やみくもに選択肢を増やすのは次元の違う話ではないかと思ったりします。

「わがまま」なのか、それとも…
「子どものわがままで学校に行かない」という声も耳にしますが、本当にそれだけでしょうか。
学校に行かない背景には、いじめ、学習への不安、家庭環境の変化、心の健康問題など、さまざまな要因が絡んでいるかもしれません。
周囲のできることは、まず子どもの声に耳を傾け、対話を重ねることです。
ここで、聴き方が問題になります。実は聴けているようで聴けていないことも多くあります。話を聴ける親の余裕も必要です。
そのうえで、
- 子どもの気持ちに寄り添う:まずは子どもの話を先入観なしに、しっかりと聞き、感じていることを理解しましょう。評価や判断はしないことです。
- 過干渉を避ける:子どもの課題に過度に介入せず、自分で解決する力を尊重します。提案をしても行動の選択は子どもに任せましょう
- サポートを提供する:必要なときに助言や情報提供を行い、選択肢を一緒に考えます。
- 失敗を受け入れる:試行錯誤の過程での失敗も成長の一部と捉え、温かく受け止めます。
アドラー心理学が示す子育ての目標
アドラー心理学では、子育ての最終目標を「自立」と「協力」としています。その達成のために、以下の三つの要素を育むことが重要とされています。
- 自己受容:自分を肯定し、ありのままの自分を受け入れる力。
ありのままとは、思い通りにならない自分など、ネガティブな側面も受け入れ肯定すること。オレ様主義とは違います。 - 他者信頼:他人を信じ、健全な人間関係を築く力。コミュニケーションの基礎とも関連します
- 貢献感の育成:自分が誰かや社会に貢献できているという実感。大げさなことではなく、身近なありふれた関わりや感謝も貢献です。
そして、これらを実現するためのキーポイントとして、「課題の分離」の考え方があります。

「課題の分離」とは何か
簡単に言えば、「それは誰の課題か」を明確にすることです。子どもが学校に行くかどうかは、最終的には子ども自身の課題であり、親が代わりに解決することはできません。
親はサポートや助言を提供できますが、行動の選択と結果の責任は子ども自身が負うべきものです。これにより、子どもは自分で考え、判断し、行動する力を養うことができます。論理的結末ともいわれる部分でもあり、このままだとどうなるかを問えばいいのです。
権利の主張の裏には責任が伴います。相手に権利を主張すれば、こちらも相手の権利を受け入れる責任があることを伝えます。
アドラー心理学でいう「論理的結末」とは
アドラー心理学における「論理的結末」とは、子どもの行動とその結果を直接的に結びつけることで、自己責任と自立心を育むアプローチです。これは、子どもが自分の選択や行動がもたらす現実的な結果を体験することで、内面的な学びを促す方法です。
論理的結末の基本的な考え方
- 行動と結果の自然なつながり: 子どもの行動が直接的に引き起こす結果を、そのまま経験させます。これは罰ではなく、自然な流れとしての結末です。
- 自己責任の促進: 親や大人が強制的に制御するのではなく、子ども自身が自分の選択の結果を受け入れることで、責任感が養われます。
- 他者への影響の理解: 自分の行動が他者や環境にどのような影響を与えるのかを学び、社会的な協調性も育まれます。
具体的な例
- 忘れ物をした場合: 子どもが学校に持っていくべき教科書を忘れたとします。親がすぐに届けるのではなく、その結果を経験させます。授業で困ることで、次回から自分で確認する習慣が身につきます。
- 夜更かしをした場合: 遅くまで起きていて翌朝起きられず、学校に遅刻してしまう。これにより、十分な睡眠の重要性を実感します。
- おもちゃを片付けなかった場合: 散らかったままで、おもちゃが壊れたり、失くしたりすることで、片づけるのがよい方法と思えば、自分の持ち物を大切にする意識が育ちます。
論理的結末と罰の違い
- 罰: 行動とは直接関連のない制裁を加えること。例えば、「宿題をしなかったからテレビ禁止」は、行動と結果が論理的に結びついていません。罰より、お互いのストレスのないやり方を考えましょう。
先の片づけない例だと、意味を一緒に考えたり、片付けが楽しい時間になるように、ゲーム感覚でタイマーを使うとか、最初は一緒に取り組んだりして習慣化する、片付けリーダーとしての役割付与などで貢献感を満たすとかの方法が考えられます。
片づけた時に注目し、賞賛や承認をすると片付けが強化されます。 - 論理的結末: 行動と結果が直接関連しており、子どもがその結末から学びを得られるようになっています。親としては、子どもが自分の行動の意味や影響を深く理解できるよう、愛情と尊重を持って見守ることが前提です。

論理的結末を活用するメリット
- 内発的動機づけの向上: 外部からの強制ではなく、子ども自身の気づきによって行動が変化します。
- 親子関係の改善: 無用な対立や叱責が減り、信頼関係が深まります。
- 問題解決能力の育成: 自分で考え、選択し、その結果を受け入れる経験が積み重なります。
実践する際のポイント
- 安全を最優先: 子どもの健康や安全に重大な影響を及ぼす場合は、介入が必要です。
- 共感を示す: 子どもが結果に直面して落ち込んでいるときは、感情に寄り添いサポートします。
- 一貫性を持つ: 親が対応を一貫させることで、子どもは安心して行動することができます。
- 選択肢を与える: 子どもに選択の余地を与え、その結果を自分で選んだと感じられるようにします。
義務教育システムと社会全体でのサポート
一部では、義務教育システムに問題があるという指摘もあります。しかし、学校は知識の習得だけでなく、集団生活を通じて協力や社会性を学ぶ大切な場でもあります。今のシステムが全く機能していないとも言い切れませんし、誰にとっても都合の良い公教育のシステムは実は存在しません。昔から反面教師ということばもありますから、ネガティブな側面をバネにできるような子どもを育てる方が大切です。いかにうまく折り合いをつけて、利用していく方が得策かもしれません。
だからこそ、学校だけに頼るのではなく、家庭や地域、社会全体で子どもを支える仕組みが求められています。
- 学校との連携:教師やカウンセラーと情報を共有し、一緒に子どものサポート体制を構築します。
- 地域資源の活用:コミュニティ活動やボランティアなど、子どもが社会とつながる場を提供します。
- 親同士のネットワーク:同じ悩みを持つ親同士で情報交換やサポートし合える場を作ります。
最後に:信じて待つ勇気を持とう
子育てにおいて、「課題の分離」は親自身も楽になる考え方です。子どもの課題と自分の課題を分けることで、無用なストレスや罪悪感から解放されるかもしれません。
大切なのは、子どもを信じて待つこと。 子どもは自分の力で困難を乗り越える力を持っています。その成長を見守りながら、必要なときに手を差し伸べる存在でありたいですね。子育ての旅路は決して一人ではありません。共に学び、支え合いながら、楽しみながら新しい一歩を踏み出してみませんか。
あなたとお子さんの未来が、希望と喜びに満ちたものでありますように!
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