学級崩壊、いじめ不登校の背後にあるもの
困難課題を抱えがちな最近の子どもたちの傾向と教師の対応についていくつかをあげてみた。
もちろん、色々な背景があるので、十分な聴き取りは必要になるのはいうまでもない。
こどもは発達途上であると共通理解して対応して欲しいと願っている。
実行機能は非認知能力の一つで、自分の欲求や考えをコントロールする能力を指します。
具体的には、目標に向けて行動を抑制したり、切り替えたりするなどの自分をコントロールする能力であり、目標を達成するために習慣やクセをコントロールする力とも言われています。この力が育てられずにいる子どもが増えています。
実行機能は、特に5歳頃までにはルールの切り替えができるようになり、前もって準備をするということが見られるようになります。学齢期から意識的にに身につけた方がよいとされ実行機能は以下のようなものです。
自己理解力 整理力 時間管理力 感情制御力 行動制御力 柔軟力 自発力 集中力
作業記憶力 持久力
子どもの主体性を伸ばそうとして、主導権を与える場合の注意
〇権利と責任について
子どもの主体性を尊重する意図はわかるのですが、発達途上のこどもにすべての決断を迫ったり、主導権を与える場合は、権利と同時にその責任についても十分理解させる必要があります。
例えば、子どもが学校に行かない、課題を出さないと決め、親や教師がそれを許可した場合。よく見かけるのは「勉強はできなくてもいい」と親や教師が言ってしまうことです。その裏には、嫌なことから逃げる言い訳として、「勉強が全てではない」「学校の勉強は役に立たない」とか言ったりします。そう言いたくなる気持ちは察しても、学校へ行く、課題をこなすなどの目的相応の代替行動をとらないとすると、子どもは自分の行動の結果(学業成績の低下、社会生活スキルや知識の欠如など)に対する責任を理解する機会を失います。そういう回避行動が子どもの自己管理能力が育つのを妨げ、メンタルに悪影響を及ぼすだけでなく自立の阻害要因になることを本人や保護者が認識する必要があります。子どもの言い分を聞くのは大事なことですが、保護しすぎて、子どもが自立するためのスキルを逆に奪っているのではと思うケースもあります。
教師は生徒の発達の個人差を見つつ、今やるべきことは何かを考えさせて、論理的結末のいくつかを提案します。最終的には、自己責任がとれるように、基本的な生活スキルや社会スキルが身につくよう指導することが、困難を乗り越える強さを育てるためには必要で、その強さは誰にもあることを認めて励ますことが必要です。
〇「自尊感情の肥大」について
自尊感情を育てることは大切なことで、適度な自尊心は、自己効力感を高め、困難に立ち向かう勇気を与えます。
しかし、発達相応でない自尊感情が肥大すると、自己認識の歪みを引き起こし、自己中心的な行動や他人への配慮の欠如を引き起こす可能性があり、他人とのコミュニケーションや協調性を損なう可能性があります。親や教師は、生徒の自尊心を適切に育て、肥大しすぎを防ぐために、生徒に自己評価のリアリティ(甘さなど)をフィードバックし、他人への敬意と共感を育てることが大切になってきます。自尊感情に焦点を当てるより、規範意識や多面的なものの見方や、自己効力感や自己有用感を満たすような取り組みが必要です。

回避傾向が強く、現実検討能力の乏しいこども
学年が進行しても、現実検討能力が発達相応でなく、「なんとかなる」という非現実的な楽観主義を抱えている生徒がいます。しかし、そのうち破綻するので、挫折経験は早い方がいいとも言えますが、挫折が深刻な精神的なストレスになり、立ち直れないケースも多々あります。ドロップアウトしていること自体も自覚できていないので、早期に継続的で充分な支援が必要になります。
この場合、学校外資源を積極的に活用してください。またこのような子どもは、より居心地の良い場所を求めて回避しがちです。逃げたくなる背景の原因を理解し、一旦回避して逃げ込む場所も必要ですが、その間、キャリア教育と問題解決スキルを学ぶ機会を失うことのないよう頻繁に保護者と子どもに関わる必要があります。放置しておくと、依存傾向が増し、被害者意識も強くなります。
充分な体力があるときは、積極的に背中を押して、ポジティブな行動支援をします。基本は、日常生活の管理能力を育て、一定の健康的な日常生活のルーチンを確立するのが早道です。規則正しい睡眠時間、健康的な食事、適度な運動などが含まれます。(ルーチンは自律的な手順や行動の鎖のようなもの)
学校と家庭との連携はかかせません。また、ポジティブな目標を設定し、生徒の自己認識と自己効力感を高めるための支援を第一に考えましょう。子どもが自己認識を深めるためには、内省の習慣を育て、他からのフィードバックを得ることが有効です。これには、行動観察と記録、感情表現の活動、瞑想など、時間と継続的な努力を必要としますが、長期的には生徒の成長に寄与します。感情制御が難しい生徒もいますが、メタ認知能力が育つことで、自己認識も高まりますので、内省の機会は定期的に持つ必要があります

