支持的生徒指導って?ポジティブ行動支援にシフトしましょう!

先日、学校の職員研修で色々な課題を抱えた子どもたちの対応についての話をしました。
どの子どもたちも一人の先生の対応には限界がある子たちです。このような子どもたちには、組織的に関わることが大切です。
しかし、そこをどう先生方に理解してもらえるかが難しいわけです。

そこで一つヒントになるのは、文科省生徒指導提要にもある支持的生徒指導の3層構造についてです。

文科省生徒指導提要による生徒指導の重層支援構造

生徒指導の土台は発達支持的生徒指導(第1層支援)にあります。

困難課題を抱えた生徒指導に追われがちな教師

教師の日常的に行うべき生徒指導は、全生徒への Well-Beingをベースにした社会性やコミュニケーション・マナーに関する集団への適応支援が土台にあるはずです。
生徒指導というと特別の生徒のものだけではなくなっています。「指導」という言葉そもそもに限界があるのかもしれません。

それはさておき、
私たちは、何か課題がある生徒つまり、上の図でいうと上位層である、課題予防的生徒と困難課題対応的生徒に注視しがちです。

しかし、この層の問題解決は容易ではありません。たとえ、この層の生徒が改善しても、戻るべき環境=校内環境が脆弱だとすぐに元に戻ります。それどころか、対応する教師の疲弊感が増すばかりで、下手をするモグラたたきのように、困難課題対応的生徒が増えてしまいます。つまり悪循環の様相を呈していくわけです。

生徒指導の考え方を変えましょう

つまり、課題を抱えた生徒をどうすべきかより、クラスの他の生徒や学校の環境にもっと目を向けましょう。課題を抱えた生徒を見過ごすわけではなく、その子たちが生きやすくなる環境の方に目を向けた方が効果的です。

その時に、すべての生徒の発達支持的生徒指導が日常的に行われているかが大きなカギになります。この点が今も見落とされていることが、よくあります。
今では、この発達支持的生徒指導=ポジティブ行動支援を組織的に充実させる方が、課題未然防止の観点からも効果があることが分かっています。

 また成績不振において、「やる気がない」「できない」の背景には、単なる怠けというより、本人の認知特性が背景にある場合が多くあります。

つまりレベル以上の学習内容であることが多く、いわゆる学習性無力感にとらわれているケースがほとんどです。検査をすると知的ボーダー(境界知能のこどもは15%で、最も支援が受けにくい層といわれる)である可能性もあります。

 観察した限りでは、多くの生徒が素直で、勉強はできるようになりたいと思っています。アセスメントと個々のニーズを把握したうえで、生徒にあった学習課題を設定し、乗り越えていく経験を積ませることによって、自己効力感が増します。

まとめ

 教師の仕事は、ティーチングはもとより、コーチング、コンサルティング、カウンセリング、・・・などなど、クレーム処理まで、多岐にわたりオールマイティであることが期待されています。

しかし、どの分野も専門性の高さが要求されるので、一人の教員で、できるわけはないのです。教師の本来のやるべき仕事は教科指導だと私は思います。面白く楽しい授業にもっと力を注いで欲しい、その時間を管理者は確保して欲しいと願っています。

 しかし現状は困難課題を抱えた生徒指導に追われています。とはいえ、支持的生徒指導をうまくできているクラスや学校では問題は起きづらいのも事実です。そういうエビデンスのある生徒指導を学び、組織的に関わることが必要だとカウンセラーとしては痛切に思うところです。
教師の給与が1割ほど上がるような気配があります。是非そうなって欲しいです。それにより、エビデンス重視の有能な若手教師が増えることを願ってやみません。